ラグドール まろちゃんショコちゃん
肥大型心筋症と診断された「まろちゃん」が長生きできるよう日々楽しく生活する飼い主と猫ブログ
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『にゃーちゃん』
追記
これは、平成18年8月13日に亡くなった「にゃーちゃん」の話です。体調を悪くしてから約2週間の、辛く悲しい日々を綴っていたものです。内容も感情的で、たぶん、他人から見ると少し遠慮したくなる長い文章かもしれません...。私の中の大切な記憶として、残しておきます。


nyaaaa.jpg


平成18年の11月23日で22歳になるはずのにゃーちゃんが、重い病気になってしまいました。病気のコト、ネットで沢山調べました。治るのか?希望はあるのか?骨と皮になって痩せていくにゃーちゃんの残された時間をどうしたらいいのか悩んで泣いて・・・を長々と書きます。老猫の治療についても参考にしていただけたらと思います。


8月2日 ごはんをあまり食べなくなりました。大(ゥン○)もしていません。おかしいな?そういえば痩せたじゃない?あんなに飲んでいたお水も飲んでいないみたい。でも今日はぱぱちんもお休みだったので庭の藤の木に花壇作りをしたのです。にゃーちゃんも時々覗きにきたりしていました。梅雨がやっと明けて夏バテかな?って思っていました。

8月3日 朝、やっぱりごはんを食べていない。にゃーちゃんは夜中に食べることが多いので、前の晩新しいごはん(キドニー腎臓用を2年前から食べています)を入れておいたのに。お水も飲んでいないし大も小もしてない。キドニーの缶詰のほうを寝ているにゃーちゃんに出すと少し食べてくれた。心配しつつも仕事へ行きました。

PM7:30仕事から帰ってくるといつもは「にゃーん」と鳴いて、起きだしてノビーをして、だっこ。とくるはずが、今日は寝たままちらっとこちらを見るだけ。おかしい。今朝のごはんはベットの上にォェしている。大は無し。小は1回していたけれど異常なほど黄色い。全然、ごはんは食べてない。食欲がないのを心配してマグロのおさしみを買ってきたので、たたいてお皿に置くと一口食べてまた寝てしまった。なんだかとってもぐったりしている。不安になりどうしようどうしようとワンワン泣く私・・・。

8月4日 ぜんぜん眠れなかった。ぐったりしたにゃーちゃんと並んでずっと泣いていた。にゃーちゃんをおいて、とても仕事にはいけない。以前、「ぽち」という犬を飼っていたのだけど、ひとりぼっちで死なせてしまったことをすごくすごく後悔してるので、にゃーちゃんの時は絶対そばにいたいと強く思っているのです。会社の上司に仕事にいけないという理由を正直に話しながら堪えきれずまた号泣。。「わかったから休んで^^;」といわれまた号泣しながら電話をきる。ものわかりのいい上司で良かった。。と思いつつ、にゃーちゃんは相変わらずぐったり。とりあえず、一日様子を見ていよう、と泣きながら過ごしていたのですが、やっぱりこれは病院へ行ったほうがいいと思い、16時頃にぱぱちんへ泣きながら電話をして、病院までの道のりを聞く。病院までは45分、2年前に血尿がでて初めてかかった病院であまりいい印象はないけどこの際仕方ない。だってそこしか近くにないんだもん。

ぐったりしたにゃーちゃんを乗せてなんとか病院へ。オッサン先生はちょっとムツゴロウ似で優しそうだけど、どこか適当なイメージで病院自体も清潔感が全くないのだ。にゃーちゃんを見て、どうしたの?と聞かれ泣きながら病状を説明して診察台へ。キティちゃんのハンドタオルが一枚敷かれただけの硬い診察台でにゃーちゃんは「ぁうううううう。」と怒っていました。(やだよね、こんな汚いタオルの上に押し付けられて。なんか他の毛が残ってるじゃないの。だっていつもは洗いたてのタオルをふかふかのベットに敷いてくれないとヤなんだもんね。ごめんね。。。)とりあえず、触診をして採血。腕をギュってつかまれて「ぃやぁぁぁ。」と怒るにゃーちゃんを撫でながら抑える私&涙。可愛い腕の毛をバリカンでがーっと刈られてぶすりと注射を刺して、血を抜こうとしたらにゃーちゃんが動いて血がパッとでて、
私「あぁっ!先生、血が、血がぁぁっ(涙)」
オッサン先生「あれ、失敗しちゃった、アハ」
にゃーちゃん「にぁううううっシャーッ(怒)」
たちくらみを覚えながらも必死ににゃーちゃんを抑えて、もう片方の腕をまたバリカンでがーっと刈ってぶすって針を刺して・・・なんとか採血をして、そのまま点滴へ。思った以上に痩せていた、か細い腕に針を固定するテープをぎゅっと巻かれてずっと怒っているにゃーちゃん。連れてこなければ良かったと後悔しつつ、検査の結果は肝臓と胆嚢の疾患ではないか、数値をみてもかなり重症とのこと。点滴に肝臓の黄色い薬を刺し入れて、首すじにも注射。色々と説明をされたけど、それどころではなかった。悲しくて、今、にゃーちゃんはとても嫌がって鳴いてて、重症で、、、。私のような恐がりですぐ動揺してしまう人はひとりでいくのは止めたほうがいいと思う。恐がりで臆病なところ、にゃーちゃんと私はとても似ている。21歳という高齢で、これだけ肝胆の数値が悪いとちょっと、ね。と言われた。2年前、血尿が出た時は腎臓の数値が悪くて、食事をキドニーケアという専門食に変えていたので、腎臓は通常通りの数値になってた。素人の私が見ても、健康な状態と今のにゃーちゃんの肝臓、胆嚢の数値はあきらかに異常だってわかりました。診療時間をオーバしてまで200ミリの静脈点滴をしてくれたことには感謝しました。オッサン先生はその日、何かの予約をしていたみたいで、電話で断っているのが聞こえていました。にゃーちゃんは長い点滴の間、立っている私のお腹にオデコを押し付けてずっと低く鳴いてました。こわくないよ、大丈夫だよ、いい子だねってずっと、その間中声をかけ続けました。「これから、明日も点滴したほうがいいよ、でも時間をかけてやらないといけないから、ココまで遠いしね、朝きて、5時間くらいかけてじっくりして、夕方に迎えにくればいいよ、あ、ゲージに入れるから大丈夫だよ、臆病な子だけどね、大丈夫、隅っこに小さくなってやるよ、まあ、高齢だからね、考えてみて。」最後に飲み薬を口をぐいっと開けさせられて飲まされて、にゃーちゃんはぐったり。。急いでお家に帰りました。

一人ぼっちが嫌いで、他人を寄せ付けない恐がりなにゃーちゃんをゲージに独りぼっちで痛い思いをさせるなんて出来ない!絶対にゃーちゃんはそんなこと望まない、はず、だと、思う、けど、どうしよう。そっといつものフカフカのベットに寝かせて、帰ってきたぱぱちんに泣きながら説明。どうしようどうしよう。点滴はしたほうがいいだろうけど、万が一、その汚いゲージで死んじゃったらどうしよう、オッサン先生は嫌いではないけれど、あの病院へは行きたくない、本当にあの治療法でいいの?こんなに嫌がっているのに、車だって恐がって乗りたくないはずなのに、こんな最後でいいの?もっと安らかに、どうせダメなら、にゃーちゃんが嫌じゃないように、大好きなお家でゆっくりさせたほうがいいんじゃないの?でもこのままなら、お水もごはんも食べなくて死んじゃうしかないじゃない?

にゃーちゃんは、肝臓と胆嚢を結ぶ管が、何かの原因で炎症を起こしているか、詰っているか、機能していないか、という病気らしいです。原因は、感染症や嘔吐を繰り返しているとなる可能性があるみたいです。

<大泣きの一日>

8月5日 病院へ行こうか、それとももう安らかに、ただ死期を待つのか・・・。安らかに?ごはんもお水も飲めなくてそれって安らかなの?だったらせめて病院へ行くべきじゃないの?朝から泣きつかれていて、にゃーちゃんがもうすぐ居なくなることが信じられなくて、なんだかどうしたらいいものかと同じ考えばかりをいったりきたりしていた。
 にゃーちゃんは相変わらずぐったりとしたまま、眠っている。時々目を開けるけど、力が無くしょんぼりしたカンジ。
 会社に電話しなくちゃいけないかったけど、説明したらまた泣いてしまうかも、なんか私って大人じゃないなぁ、新卒の子に社会人としての自覚なんかをエラソウに教えたりしていたけど、自覚がないのは自分だわぁ、と考えているうちに会社から電話が掛かってきた。

会社の人「その後、どうですか?」
私「あの、やっぱり、だ、ぅぅぅ・・・だめ、みたいでぇ・・・ううう。ちょっと、なんかあれです、仕事出来そうもないみたいでっ、ぅぅっ。。。(嗚咽)」
会社の人「・・・わかりました。じゃあ、例えば猫がって言うと他の社員にアレなんで、あなた自身が体調不良ってことで、休んで下さい。」
私「うっぅぅ。。すみません。。なんかもう、あの、どうしたらいいか解らなくて、、ダメなんです、、にゃーちゃんは、あうぅっ・・・」
会社の人「・・・あのー・・・。明日はどうします?」
私「あっ、明日はですね、、明日はまた明日にならないと、うっ。どうな、る、か、わからなぃってゆぅか、あぅぅぅ(嗚咽)」
会社の人「わかりました、じゃあ、火曜日まで休んで下さい。それでいいですか?」
私「いいですか?すみません、ぅぅぅ。なんか、有給とかで全部使ってもいいので、、すみません、すみません。。」

ぁ~・・・。もうせっかく培ってきた会社での私の立場はもう無いかもね。ってゆうか、クビになるかもね。まぁいいや、会社とにゃーちゃんなんて天秤に量れないほどにゃーちゃんの方が重いんだから。(私がにゃーちゃんに対する執着心の大きさは異常らしいです。)

ぱぱちんは、点滴だけでも受けさせてあげないと可哀相かもしれないよ、と言います。脱水でいるのは、とても辛いらしいです。でも、ぱんちゃんのすきにしたらいいよ。きっと、にゃーちゃんも納得するよ。って。



明日は日曜日、昨日行った病院はお休みだ。いくならもうあそこは行きたくない。もっと違う所があるかもしれない。どうせ1時間近くかかるなら、そうだ、岩手県があるじゃないの。家からなら、病院が沢山あるところまで1時間丁度くらいだ。そうだ、調べるだけ調べてみよう。
ちなみに私の住む市内には動物病院が2つあるそうです。人の話ですが、一つは「うちは馬や牛しかやってねんだ」という所ともう一つは「安楽死?んだば、保健所さ連れていげばやってくれっぞ。」な所らしい。私が行った病院はこの2件ではないので、人の話は本当かどうか解らないけど。秋田県は動物病院が極端に少ないそうです。なんでかな?

インターネットで検索すると岩手の近い市内には沢山の病院がありました。どうせなら大きな病院がいいかもという安易な考えで何件か検索し、日曜日でもやっている所をピックアップ。それからネットの書き込みなどで評判がいい病院も。往診をやっている病院もある。もちろん、家まで1時間かかるし他県だし、無理だとは思うけど、聞いてみるだけ聞いてみよう。なんだか少し希望が見えてきて、ぱぱちんに電話をして、明日病院に行きたいけど一人じゃいけないので会社休めない?と泣きながら相談すると「ぱんちゃんが病気だということにして、午前中だけ休むよ。」と言ってくれた。真面目な社会人のぱぱちんにウソをつかせてゴメンネ。とまた涙。。。それから、往診をしている病院に電話して欲しいと頼んだ。泣いてしまいそうでうまく話せないから。「わかったよ。」と言われて3分後に電話がきて「だめだって。すぐに断られたよ。」と言われた。そうだよね。それでも諦めきれず、もう一件往診をしている病院に思い切って自分で電話をすることにした。

私「もしもし、あのーそちらでは往診をして頂けると聞いたのですが。」
往診病院「はい、していますよ。(優しい若い女性の声)」
私「あの、往診の範囲ってだいたいどのくらいなんでしょうか?」
往診病院「この市内だったら大丈夫です。」
私「えっと、あの、例えば1時間くらい離れたところだったらどうでしょうか・・・?」
往診病院「ぇっと、○○町とかあのへんくらいなら・・・」
私「すみません、秋田の××市なんです。。でも××市といっても近い××市で・・・。」
往診病院「ぁー・・・そうなんですか、申し訳ありません、県外へは行っていないんです。できるだけ短い時間で往診をしているので・・・。」
私「そうですよね。。」
往診病院「・・・お力になれなくて申し訳ありません。」
私「ぃぃんです。。ぅぅっ(涙声)ぁりがとうござ、いました。うぅぅっ。」
往診病院「(驚いた感じで)えっ、ぁ、はぃ・・・。」

とても丁寧に応答してくれたのでたぶん、良い病院だと思います。ただ、市内の真ん中にあるので、ちょっと行きにくいかな。。。

にゃーちゃんは相変わらずぐったりしている。寝返りを打つくらい。1年前くらいから耳が聞こえないにゃーちゃん。おでこに口をつけて「にゃーちゃん」と声をかけると前は喜んでいたのに今は無反応。意識が朦朧としているのかも。

日中、近くの実家の母がお見舞いにきてくれた。母もにゃーちゃんと暮らした時間は長い。私の腫れた目をみて「それよりあなた、ぱんだみたいだわね。」と言われた。こんな形でぱんちゃんになるとは。

夜ぱぱちんが帰ってきて、探した病院の話などをする。明日、朝一番で行けるように、電話しよう、と言う。それで大きな病院に掛けてみたけど営業時間が終了していた。予約制だから無理かもしれないけど、明日の朝、また掛けてみよう。でも、やっぱり気になるのは、にゃーちゃんが行きたいかどうか解らないということ。行きたいというか生きたいっていう気持ちがもうないような気がしてしまう。。。

<病院に行く決意>

8月6日 朝は4時に目覚めた。すぐ横で寝ているにゃーちゃんが息をしているか確認。。大丈夫、まだ大丈夫。夕べはぱぱちんがにゃーちゃんの好きな鯵を買ってきてくれたので食べないとは思うけど、焼き魚にして見せたらやはりちょっと見ただけだった。食べられないのにかえって可哀相なことをしたかも、と落ち込んだ。それからにゃーちゃんを見つめていたら、目を覚ました。じっと私を見ている。後悔のないように、たくさんありがとうの言葉を言った。なんだか昨日よりぱちくりとした目をしている。あれ?元気になった?いつも繋いで寝る手(本当)をそっと握るときゅっと返してきた。にゃーちゃん、どうする?病院へ行く?まだ、頑張れる?それから暫くウトウトとしていると突然むくっと起きてよろよろと立ち上がり、ベットから降りる座布団で作ったスロープを歩き出した。歩いては休み、歩いては休み、よろけながらもトイレへ辿り着いて1日ぶりに小をした。肝臓病特有の真っ黄色。でも、出たんだ、よかったね。ぱぱちんを起こして、にゃーちゃんトイレしたよ、と言いながら、抱えてベットににゃーちゃんを戻した。すると、にゃーちゃんはベットサイドに置いてあるお水に近づき、口をつけようとしている。えっ、お水飲むかも?!ずっと、飲んでなかったのに!何度も口を近づけて、考えて、離して、近づけて、を繰り返していたけれど、結局自分の力では飲めなかった。でも、飲もうとした姿をぱぱちんと見守っていて確信した。たぶん、きっとにゃーちゃんはまだ生きたいんだって。

朝5時に私は久しぶりに外に出て近所のコンビニへ歩いた。大丈夫かもしれない、頑張れるかもしれない。たらこおにぎりを2つ買ってお家に戻る。「ぱぱちん、私やっぱりにゃーちゃんを病院へ連れて行く。諦めきれないし、にゃーちゃんもまだ頑張りたいんだよ。」


<病院探し>

昨晩ピックアップした病院へ営業時間を待って電話をかける。最初は一番大きな動物病院だ。
私「すいません、今日、診察していただけますか?」
A病院「本日は院長が学会出席のため、初診は受け付けておりません。」(冷たい女の人の声)

あっさり言われがっかりした。心の中ではここに決めていたのに。地図も調べていたのに。「ぱぱちん、だめだって。うぅう(涙)やっぱりもうだめだょ。。」「何言ってるの。まだ他があるじゃない。頑張って!」「ぅぅ・・わかった。。」

次にネットで評判の良かったR病院へ電話を掛けた。
私「もしもし、今日診察していただけますか?」
R病院の男「ええ、いいですよお~(大声)やってるんで。」
私「ちょっと遠くから行くんですけど、」
と話している途中にさえぎられて、
R病院の男「あん、どこお~?」
私「秋田なんですけど・・・」
R病院の男「はあああ~?秋田あぁ?なにそれ?」
私「あの○○市っていうとこで1時間くらいなんですが・・」
R病院の男「あぁー?なんでぇ~?なんでうちにくんのお?ちょっとー(誰かを呼んでいる様子)」
R病院の女「え?なに?なんで秋田からくんの?で、何を?(早口でキツイ口調)」
私「え?なにを?」
R病院の女「えー?ワンちゃん?猫ちゃん?」
私「猫です・・・」
R病院の女「あんのねぇ!うち遠いからやってないのよー。遠いとほら色々困るでしょ、だから診てないの!もっと近く探して。」ガチャン。
・・・・・・・・。
あのー、こっちから行のになんでこんな言われ方しなきゃいけないのでしょうか?ネットの評判って本当に信じられない。今すぐそのHPへ抗議の書き込みしてやろうか、えっ。(気が弱いのでしないケド)
ぱぱちんに言ったら「なんだそれー!!!」と怒っていた。でも冷静なぱぱちんは、またしくしく泣く私に「ぱんちゃん、そんなトコ行かなくて良かったよ。行く前にわかって良かったよ。」と言ってくれた。でも、あてにしていたこの2つの病院がダメだというと、他はもうどこも同じ感じで病院名と電話番号しかない。
もおだめだぁぁわぁぁぁん。と泣き崩れる私を必死で励ましてくれるぱぱちん。そしてカチカチとネットを調べると、HPのある病院がもう1つあった。場所も高速を使えば行きやすい。HPはたった1ページしかないシンプルなもの。女性の院長先生でプロフィールが書いてある。たんぽぽ病院という名前もなんだか可愛い。「動物の体に優しい医療を目指します」だって。それだけの理由だったけど、ぱぱちんがここにしてみな、と言うので、何度もためらいながら、おそるおそる電話を掛ける。

たんぽぽ病院「はい、たんぽぽ病院です。」(シンプルな女性の声)
私「あの、すみません、初めてなのですが今日診てもらえますか?」
たんぽぽ病院「はい。大丈夫です。どうしましたか?」
私「あの、遠くから行くのですがそれでも診てもらえるでしょうか?」
たんぽぽ病院「ん?はい、大丈夫ですよ。どうされましたか?」
私「ぇっと、猫なんですけど、おととい他の病院で診てもらって肝胆系疾患と診断されまして、点滴を打つように言われたのですが、昨日は打っていなくて、その病院は今日休みなんですが、それだけじゃなくて、別の所で診て頂きたいと思いまして・・・」
たんぽぽ病院「ふむふむ。それで今はどうですか?」
私「ぐったりしていますが、今朝小をしました。お水も飲もうとしたんです。血液検査もしたので検査表もあります。」
たんぽぽ病院「何時頃これますか?」
私「いま、すぐ出れる準備が出来ています。1時間くらいかかるんですが今から行きますので・・」
たんぽぽ病院「ではお名前とお電話番号宜しいですか。」
私「は、はい。ありがとうございます。名前は、ぱんです。電話は、ぇっと○○の、あ、ちがった、○○の××です。すみません、どうぞ宜しくお願いします(涙声)」
たんぽぽ病院「わかりました。お待ちしています。」

動揺して電話番号もうまく言えなかったけど、なんとか行くことが出来る。それだけでまた涙が溢れて泣いていると、「ぱんちゃん、行くよ!場所、印刷して!」とぱぱちんに言われ、HPの地図を印刷した。


<たんぽぽ病院へ>

出来るだけ、にゃーちゃんに負担がかからないように、車のシートにマットやいつも寝ている布団といつも掛けているタオルケットを持って、にゃーちゃんを乗せる。最初はちょっと驚いていたけれど、だんだんと落ち着いてきた。怖くないようにタオルケットで優しく包んであげると安心したのか、時々眠った。目を覚ますと「にゃーちゃん、天気がいいね。」とか「キレイなお花咲いてるよ。」とか声を掛けた。

高速を使って丁度1時間で着いた。ぱぱちんはナビがないといつも道を間違うのに、今日はすごく必死に運転してくれて、間違いなく着いた。大通りから少し入った住宅街に続く道中にたんぽぽ病院はあった。にゃーちゃんはまだウトウトしている様子。駐車場に車を置いて、フカフカの布団に乗せたままにゃーちゃんを抱いてたんぽぽ病院へ入った。

横からみると普通のお家みたい。小さい病院なんだな。。正面にある入口はウッドデッキになっていて、3段くらい上がった所に扉があって手前に引く重みのあるガラス戸は中の様子が良く見えて、なんだか下町のドラマに出てきそうな、病院(人間の)の入口みたいだった。木の靴箱にスリッパがキレイに並んでいた。午前中のまだゆるやかな陽射しがたくさん入る温かみのある小奇麗な玄関で、スリッパに履き替えながら中を覗くと奥の受付用カウンターに女性の姿が見えた。軽く会釈をして、古いけどちゃんとワックスでちゃんと磨かれているねんきの入った木の床を歩いて、「今日、電話をしましたぱんです。」と緊張しながら挨拶をした。ぱぱちんは私の脱ぎ捨てた靴をきちんと揃えている。
「じゃあ、猫ちゃんはその椅子に乗せて、こちらの登録用紙に書いてください。」と言われ「は、はい。ぱぱちん、これ、書いて。」とにゃーちゃんを抱いたままお願いをする。待合室は6帖くらいの広さで低いベンチタイプで青い布製の小さな長椅子が2箇所置かれていた。にゃーちゃんをそっと置いて、隣に座った。緩やかな音楽が心地よい大きさでかかっていた。よく解らないけどヒーリングの音楽っぱい。受付の台の上でぱぱちんが登録カードを書いている。「ぁ、にゃーちゃん何年生まれだっけ?」「昭和59年11月23日だよ。」それ以外はスラスラ書いていた。受付の女性はショートカットで無表情だけど、言葉使いは丁寧でとげがない。「それと、こちらも書いてください」と言われている。ぱぱちんがこっちを見て、「ぱんちゃん、これ書いて。」立ち上がって「ぱぱちん、にゃーちゃん見ててね。」と言い、受付の台に置かれた問診表の四角のチェックに印を付けていく。「Q,以前大きな病気をしましたか?」とあったので2年前に血尿が出たことを書こうと思ったのに、緊張して「尿」という漢字が出てこない。「ぁぁ・・えっと、あの、すみません、にょうってひらがなでもいいですか?」と聞くと少し微笑んで「大丈夫ですよ。」と言われ恥ずかしく思いながら「血にょう。」と書いた。。「Q,性格は?」の問に沢山チェックを付けた。おとなしい、こわがり、さみしがりや、飼い主以外はなつかない、よくあまえる、大きな音が嫌い、触られるのを嫌がる、神経質、きれい好き・・・などなど。他にも食べているごはんの種類や量、トイレの回数や臭いなんかもあった。動物病院でこんなに沢山の質問を書いたのは初めてだったけど、でも説明しなくてもこれでにゃーちゃんのことがとてもよく解るので嬉しかった。問診表を渡すと、さらに詳しく、いつからどうなって今に至るか聞かれた。私は動揺しないように、ちゃんと正確に答えなければ、と必死で言葉はとぎれとぎれだったけど全部伝え、採血の結果の表も渡した。また泣きながらだったけど。
「少しお待ちくださいね。」と言われ「すみません。」と鼻をすすりながらぱぱちんの隣に座って近くにあったテッシュで鼻をかんだ。ネットで動物病院を調べていたとき、待合室にティッシュが置いてあるのは良い病院だ、って書いてあったのを思い出した。

<たんぽぽ先生の診察>

「どうぞお入り下さい。」と言われ、にゃーちゃんを布団に乗せたまま診察台の上に置いた。最初のオッサン先生の病院では、硬いアルミの鉄にタオルを一枚敷いただけの診察台だったけど、このまま柔らかい布団の上で診察して欲しかった。きっと痩せた体に硬い板はとても痛いだろうから。たんぽぽ先生は何も言わず布団に寝かせたまま触診をした。にゃーちゃんは横たわりぐったりしたままおとなしく触らせている。前の病院では低いうなり声で怒っていたのに。以前から背中の腰の辺りを触られるを嫌がっていて、たんぽぽ先生がその辺りを触ると「ぁぅぅん。」と鳴いた。「あの、その辺は前から嫌がるんです。。」というと「んーそうですね、脱臼してるのかな。。」と言いながらあちこち触って確認していた。時々、にゃーちゃんが「ぁぅぅん。」というとたんぽぽ先生は「あーやなのーんーやだねー」と声を掛けていてくれたのが嬉しかった。にゃーちゃんの鳴き声を聞いて外の待合室で待っていたぱぱちんも、そっと診察室に入ってきて心配そうにみていた。ぱぱちんに「前の先生よりずっと優しいから大丈夫だよ。前の病院ではもっと激しく辛そうに鳴いてたんだよ。」と言ったら、うんうん、と少し安心していた。
「かなり脱水症状がありますね。点滴しましょう。」さっき受付でたんぽぽ先生と話をしていたとき、この病院まで1時間かかるし仕事もしているので毎日は通えないかもしれないと言ったら、「自宅で点滴が出来る方法があるので、それにしてみませんか?」と言われ「ぜひお願いします。」ということになっていた。そこで「じゃあ、やり方を教えますのでこちらに。」と急に言われ、びっくりした私とぱぱちんは一歩後ずさりしてお互いに「ぱんちゃんやって」「ぱぱちんやって」と言い合っていたら先生が少し笑って「簡単だから大丈夫ですよ。」と言うので、「ぱぱちん、簡単だって。頑張って、ね?」と強い眼差しで言ったら「う、うん・・・」とおそるおそる先生の言う位置に立った。私はぱぱちんの後ろから覗き込むように緊張しながら見ていた。

タンポポ先生「まず、肩の辺りを、、こうやって3本の指で皮を持ち上げて、、はい、どうぞ」
ぱぱちん「はい、こ、こうですか?にゃーちゃん、ごめんね、、」
私「ぱぱちん、3本だよ。3本でつかむの。」
ぱぱちん「う、うん。こう、ですか」
タンポポ先生「もっと思い切って持ち上げても大丈夫ですよ。」
私「そうだよ、もっと思い切ってぐいっとしても、ほら、皮が伸びるから。」
ぱぱちん「にゃーちゃんーごめんねー」ぐいっ
タンポポ先生「そしたらこの針をなるべく水平に刺して下さい。手を刺さないように気をつけて。」
私「水平にだよ。気をつけてね。」
ぱぱちんがちらっと口をヘの字にして私を見た。
私は相変わらず臆病なのに口だけは達者だ。
ぱぱちん「ごほん。先生、ここですか?ここに刺していんですか?」
タンポポ先生「んーそうですね、この辺りで。」
私「が、頑張って。」
ぱぱちん「にゃーちゃん、刺すね、いい?」
ぶすり。
私「い、いま、刺さったの?今、刺した?」
ぱぱちん「解らないぃぃ、刺さってると思うんだけど。」
タンポポ先生「大丈夫ですよ、うん、そしたらこのスイッチをずらして、液がポタポタしてくれば大丈夫です。終わるまで、そのまま、皮のトコ持っていて下さいね。」

それからぱぱちんは、にゃーちゃんの皮をつかんだまま硬直していた。私はにゃーちゃんのオデコを指で優しくナデナデしていた。途中でぱぱちんが小さな声で「はな。はな。」というので見るとぱぱちんの鼻から鼻水が垂れそうになっていた。急いでポケットからティッシュをごそごそ取り出して、鼻をつまんで拭いてあげた。たんぽぽ先生がその様子をみて、少し笑っていたので「この人、猫アレルギーなんです。」と言ってあげた。

たんぽぽ病院は動物に優しい治療というのを掲げていて、主に東洋医学をメインとしている。針治療やお灸はにゃーちゃんも初体験だし心配したけれど、お灸をしていると、とても気持ち良さそうに安らかな顔で眠っている。リラクゼーション音楽とお灸の香りと窓からみえる夏の景色は病院という場所を忘れるくらい緩やかで優しい時間に思えた。

家に戻ってからもにゃーちゃんは安らかにぐっすりと眠っていた。そして、一人でトイレに行こうとした足取りは、以前の元気な時のように軽かった。一瞬、もう治ったのかと思うほど。たぶん、針やお灸のおかげだと思う。私は、人間の治療としても、針やお灸をやったことはないし、実はインチキくさいと疑っていた。目に見えない治療は、疑い深い私にとって信用できるものではなかった。でも、今は明らかに様子が違うにゃーちゃんをみて、針やお灸を見直してしまった。自分も、いつかやってみたいと思うほど。





<少しだけ元気に>

8月7日 昨日のことで少しホッとして久しぶりにぐっすりと眠れた。ぱぱちんが先に起きてトイレのチェックに行った。私はベットから様子を伺う。「あっ、小してるよ。」「ぇっホント?」すぐに起きだして洗面所の足元に置いてある専用トイレとトイレシーツを覗く。「あ、ぱんちゃん足元気をつけて、ちょっとこぼれてるから。」見ると、トイレシーツ手前20cm位の所に少しこぼれていて、あとはギリギリトイレシーツにしている。「ぁ、間に合わなかったんだね。でも、良かった。。」ぱぱちんはティッシュで周辺を拭いている。私も除菌ティッシュを持ってきて、ぱぱちんに渡し、廊下や床を拭いた。にゃーちゃんを見に行くと、しっぽが少し濡れている。今朝、トイレに行ったばかりの様だ。再び除菌ティッシュを持ってきて、しっぽとその周辺を拭いてあげると「にゃー。」と鳴いた。久しぶりの「にゃー。」最近は「ぁうー。」ばっかりだったから。顔をあげていて少し元気そうに見える。点滴のおかげか、骨ばっていた顔が少しふっくらとし、体もふんわりしていた。人間も動物も水分で出来ているんだなぁ、としみじみ思い、顔や背中をなでなでした。私は今日まで仕事を休むことにしている。昨日の夕方、会社に電話をした。

会社の女の子「あっ、えっ、ぱんさん?!だいじょーぶですかあ?ホントしんぱいしてたんですよぉ」
私「ぁっ、えーと、どうもお久しぶりです」
会社の女の子「体調だいじょぉぶですかぁ?なんか大変そぉですねぇ」
私「体調は、、うーんと、、まぁまぁで、大丈夫だよ。それよりごめんね。みんなに迷惑かけちゃって。」
会社の女の子「いえいえいえ、ホント全然こちらはだいじょうぶなんでぇ、あんまり無理しないでくださいねー」
私「うん、アリガトねー(やっぱり私が体調不良って話になってるんだなぁ)」
会社の女の子「いま○○さんに代わりますんでぇ」
会社の男の人「あ、もしもし、その後、どうですか?」
私「あ、お疲れ様です。。すみません、ずっと休んでしまって。アレですよね、私の体調が悪いって話になってるんですよね。」
会社の男の人「ええ、そうですよ。で、どうです?」
私「えっと、あんまり変わらずなんですが、最悪の事態へはまだ大丈夫そうで、完全に良くはなりませんけど・・・」
病状を説明して、また私は少し泣いてしまって、「なんか、心も病んじゃってるみたいですね。」と言われたのだった。

ぱぱちんが会社に行くので急いで支度をしている。ぱぱちんが家を出る前に、未だに私は刺すことが出来ない点滴をにゃーちゃんにしてもらわなければ。昨日で一つ目の袋が終わっていたので、二つ目の点滴の袋に交換して消毒の脱脂綿と、交換用の針を準備して「ぱぱちん先生~準備できたよ~」と呼ぶ。シャワーを浴びたばかりでパンツ一丁なのに、白い巨塔の財前教授が手術室に入ってくるみたいにして両腕を上げて「準備できた?それではまいります。」と言ってきたのでちょっと笑った。しかもにゃーちゃんを映しているライブカメラは実家で放映されているのにパンツ一丁で点滴をするぱぱちんって。
にゃーちゃんの背中はだいぶ水分が行き渡ったのか首の後ろの皮をつまんでも前みたいに伸びなくなっていた。それでもそこをぐいっと伸ばしてなるべく同じ場所に刺さらないように気をつけてえぃっと刺していた。いつも刺す瞬間に「ぁうー。」というのに今回は鳴かなかった。しっぱを小さく振ってご機嫌そうにしている。ぱぱちんは時間がないので、ぱんちゃんココ持っててね、と針が刺してある根元の皮をつままされる。点滴の間はこの皮を上に持ち上げていなければいけないのだ。おそるおそる上につまんだけど、結構力がいる。私は硬直したまま、なんども「まだー?まだー?」とぱぱちんを呼んで点滴の量を確認してもらった。あんまり何度も聞くので「ぱんちゃん、今俺が見てからまだ30秒も経ってないよ」と言っていた。呼ぶたびに、Tシャツ、ワイシャツ、ベルト、ズボン、と着替えがすんでいくぱぱちんも面白かった。にゃーちゃんの背中の一部に液が溜まっていて、これが少しずつ吸収されていく。触るとそこはタプタプしていて面白い。そこをタプタプさせるように触るとにゃーちゃんもしっぽを振るのだ。カワイイなぁ。。

病気はたぶん良くなってはいない。肝胆系疾患の症状である黄疸が耳の内側に相変わらず出ている。でも、にゃーちゃんの体調は良さそうだ。あれだけぐったり倒れていたのに、今はちゃんと猫すわり(前足を隠して寝た状態)をしている。首もちゃんと上がっているし、ときどきしっぽの先を小さく動かしている。スポイトのお薬を飲ませる時も、前は唇の横をつまむとビローンと伸びていたのに、今は抵抗してググッと堪えたりする。流動食を食べさせるときも首をぐいっと持ち上げてイヤイヤをする。嫌でも食べれば元気になるんだよ、と声を掛けながらぴゅぴゅっと口の横から入れる。昨日は私のやり方がヘタでにゃーちゃんに「あうー。」って怒られたけど、今日は怒られなかった。いつか、自分でお水やごはんを食べる日がくるのだろうかと不安に思うが、今はこのやり方でやっていこう。少しでも病気が辛くないように。

今日もまた病院へ行くことにした。実家の母に付き添ってほしいと頼んだら快く引き受けてくれた。たんぽぽ先生の病院まで1時間。にゃーちゃんは車には慣れた様子で、とてもおとなしく寝ていた。途中、立ち上がって動いたので「トイレかも」と車を止めたけど、結局せずにまた眠ってしまった。

病院について、トイレを話をしたらたんぽぽ先生が触診をして「んーちょっと我慢しちゃったかな。」と言って、この前は居なかった助手の年配の女性が優しく「じゃあシーしましょうねー」と言って、横になっているにゃーちゃんのおしり付近にトイレシーツを置いた。興味津々で母と見ていると、たんぽぽ先生がお腹の下のあたりをモゾモゾ触ったとたん、半円を描くように素晴らしい?小が出た。触っただけでにゃーちゃんが小をすることに非常に驚いてとても感心した。母もびっくりして「あららららららっ」とちょっと大きな声を出していた。体温は平常に戻っていますね、と言われ嬉しかった。昨日はとても低いと言われたので。それから前回してくれたように、針とお灸をした。効果は解らないけれど、にゃーちゃんはこのお灸がお気に入りの様子で、お灸をはじめるとぐっすり眠る。病院の診察台の上で、少ししっぽの先を振りながら、気持ち良さそうだ。今日はアヴェマリアの音楽が流れていた。



<暑い一日>

8月8日 今朝はトイレシーツ手前で小をしていた。洗面所の白い床に黄色い丸いマークが出来ていて、すぐににゃーちゃんの小だとわかった。おしい!あと少しでトイレシーツだったのに。そこでトイレから廊下まで何箇所かにトイレシーツを置いた。でもきっと、にゃーちゃんにはプライドがあるから意地でもトイレまで歩いて行こうとするんだろうな。

そういえば今朝、にゃーちゃんが病気になったのは全部夢だった、という夢をみた。夢の中では以前のような元気なにゃーちゃんが隣にいて、寝ている私の顔にネコパンチをして起こそうとしていて、なんだ、病気になったのは夢か、なんだ、よかった、元気じゃん、って思う夢。元気だったころ、毎朝にゃーちゃんのネコパンチでしぶしぶ起されていたけれど、今はもう思い出だけになってしまった。
暑い一日だった。


<肝リピドーシス(脂肪肝症候群)>
肝細胞(かんさいぼう)に脂質(ししつ)が蓄積する為に起こる病気です。年齢、品種、性別に関係なく発症(はっしょう)します。

原因: 現在のところはっきりした原因は分かっていないのですが、「肥満」はこの病気の誘発因子と考えられています。この他、不適切な食事内容や慢性的な食欲不振もこの病気の原因になると思われます。

症状: 一般的症状は、食欲不振ですがこの他に病気の経過などから嗜眠(しみん)、抑鬱(よくうつ)、間欠的な嘔吐(おうと)、下痢などが含まれます。

管理: この病気の治療は、バランスのとれたキャットフードの強制給餌(きょうせいきゅうじ)が主体となります。家庭での看護と強制給餌を数週間以上継続することもありますので治療を成功させる為には飼い主さんの協力的かつ献身的看護が必要となります。
治療が成功したとしても予後(よご)は警戒する必要があります。
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用語解説:
嗜眠(しみん):寝てばかりいる事。
抑鬱(よくうつ):元気のない事。
予後(よご):予測される病気の経過。

※http://cat-net.abacuss.com/ より抜粋

<仕事とにゃーちゃん>

8月9日 今日から仕事に行く。ぱぱちんは今日が休みなので、実家の母と一緒にたんぽぽ病院へ連れて行ってくれる。たんぽぽ先生は今日定休日なのに、こちらの都合に合わせて、予約した時間治療をしてくれるのだ。動物にも人間にも優しいたんぽぽ病院ありがとう。にゃーちゃんは私がいないので不安にならないか心配だったけど、仕方ない。
点滴はぱぱちんにまかせて、いつものお薬と流動食を食べさせた。顔をつかまれて不機嫌そうにしていたけどおとなしくちゃんと食べてくれた。にゃーちゃん、仕事に行ってくるからね、とオデコに口をつけて話し、ばいばい、という。半べそをかきながら車に乗り込むとぱぱちんが心配そうに見送ってくれた。

昨日、ネットで肝臓病について調べた。肝臓病は気がつくのが遅く、気がついたときには手遅れが多い。痛みは無く、とにかくだるい。食欲がなくなって、寝てばかりになる。黄疸が出る。皮膚や白目や耳の中などに。点滴は必ず必要。栄養もとらないといけない。化学治療で治る場合もあるらしいけど、他の臓器に影響がでることも。もっと、早く気がついてあげれば良かった。そうしたらこんなに酷くならなかったかもしれない。いつも夕食の時に、私のぱぱちんの間に置いてある椅子に飛び乗って座って、なんか下さいってくるのに来なかったこと。毎日の大好きなブラッシングを怠っていたこと。体をマッサージしたら皮膚がとても乾いていたこと。トイレの回数や色だってちゃんと毎日チェックしていたのに。体調がおかしいと思う前日、夕方ぱぱちんと出かけようとした私の側からずっと離れないで、少しでも私に触れていようと寄り添ってきてたのに。なんで気がついてあげれなかったのだろう。。。

久しぶりに会社に行くと「体調大丈夫?」とみなさんが心配してくれた。大丈夫だけど、大丈夫じゃなかった。一日がとても長く、3回ぱぱちんに電話をして、ふとにゃーちゃんを思い出すとしくしく泣いて、とても仕事にはならなかった。上司に事情を説明するのにもティッシュをかかえて時間をかけて話をした。
「人それぞれ想いはあると思うけど、貴方の場合は心が病んでいるみたいだね。」「猫が貴方に飼われているんじゃなくて、貴方が猫に飼われているようだね。」社会人として会社に勤務している以上、無駄に休んだり仕事を怠ってはいけないし、しっかりしないといけないと解ってはいるのに。にゃーちゃんという大切なものをいつか、今日か、明日か、失うと思うと、不安で怖くて悲しくてどうしようもない。生命があるものはいつかその幕を閉じることも仕方ないと思っているのに、それがまだ受け入れられないのだ。そんなに泣いてもしょうがないじゃないって言われても、ぐっと我慢しても、涙がどんどん出てきてしまうんだからこれこそしょうがないじゃない。休憩所から見た真っ青な空に浮かんだ雲までもにゃーちゃんに見えるんだから。

夕方まで頑張ってなんとか会社での一日を終えた。急いで帰るとにゃーちゃんはベットではなく畳の部屋の真ん中にのびたまま寝ていた。「にゃーちゃん、ただいまあ。」と声をかけると顔を大きくあげて、目をまんまるにした。可愛らしさにナデナデをすると嬉しそうにしっぽを左右に振った。ノドをナデナデすると小さくだけどゴロゴロさせていた。病気になってから初めてのゴロゴロに感動した。機嫌がとても良さそうだった。ぱぱちんに「にゃーちゃんがゴロゴロしてるよ。」と言ったら「ぱんちゃんが帰ってきて嬉しいんだね。俺には・・・今日ぃやぁぁぁうー、って言われたよ。」

それから病院の様子を改めて聞いた。体温は38,5℃で正常。おしりの検温は嫌がって怒っていた。大をしていないけど、腸には溜まっていない様子。「ササミ」を口をあけさせて小指のツメくらいの大きさのを6個食べさせた。怒らないで口をモゴモゴさせて、1個だけダラーンと出したけど、またぐいっと口の奥に押し込められて食べたそうだ。「小をまだ今日してないよ。」と言われ不安に思ったので、トイレに連れて行くため抱き上げると手足をノビーっと伸ばした。可愛い指がぐーっと開いて気持ち良さそう。寝てばかりだと体も痛いだろうに。いつもより体がシャキンとしていたので、以前元気だったときにした抱っこをした。左肩に上半身をくっけて乗せ、足とお尻をささえる抱っこ。にゃーちゃんが私の肩にしがみつかないと落ちてしまうのだけど、ちゃんとツメを立てて、頼りなく張り付いた。「みて、ぱぱちん、ほら。だっこしたよ。」「お~良かったね~。」そのままトイレへ連れいき、倒れないように体を支えられながら少ないけれど小をした。良かった。。


<心の問題>

8月10日 朝。目が覚めると、すぐ隣でにゃーちゃんがこちらを見ている。トイレしたいかな?と思いトイレを確認してみると、していなかった。ガッカリしながら隣の部屋を覗くとぱぱちんが作文を書いていた。今日が提出期限の会社の宿題だそう。もう間に合わないから諦めたのかと思ったけどやっぱ書くんだなぁ、と思いながら何も声を掛けずにベットに戻った。

私は今日も仕事に行かなければ。。夕べ、ぱぱちんに点滴の指導をしてもらって、うまく背中に刺すことが出来たから、朝の点滴も一人でやろう。横になっているにゃーちゃんの肩から首の辺りの皮をぐいっと上につまんで、だいたいの位置を決めて、小さなチャック付きのビニールに入れてある消毒が染み込んだ脱脂綿を出して、きゅきゅっと拭いた。それから点滴の新しい針についているキャップを外して、またぐいっと皮を持ち上げて、水平にくいっと刺した。にゃーちゃんは全く動じず、じっとしたまま。点滴のスイッチを入れて、ポタポタを落ちるのを確認して、にゃーちゃんの頭をなでなでしながら点滴の袋をじっと見ていた。1回の点滴はだいたい5分くらいで終わる。にゃーちゃんの肩付近がゆっくりと膨らんで、触ると柔らかい痩せた毛皮がタプタプと動く。にゃーちゃん、タプタプしてきたねぇと言いながら少し面白がってタプタプさせるとしっぽの先をぷりっと動かした。無事に点滴をすませ、急いでお薬を2粒ケースに入れて、お水で溶かしてスポイトで吸って、にゃーちゃんの口の横からピュっと入れた。口をむにゃむにゃ動かしている。流動食も注射器一本分だけ、あげた。

家を出る前ににゃーちゃんにトイレをさせようと連れて行ったけど出なかった。トイレから出すと歩き出して、フラフラと右ナナメにゆっくり進んでいく姿を見たらまた悲しくなった。真っ直ぐに歩けないらしいにゃーちゃん。点滴が右側に入ったのでバランスがとれなかっただけだと思いたい。そのまま休みながら廊下を歩いて和室に向かっていった。暑いのか、和室がお気に入りらしい。前は絶対畳には寝なかったのに。和室のど真ん中に腰を下ろして横になった。骨ばった背中が小さく呼吸している。アゴを両手にのせ、がっくりしているように見える。そんな姿を見ていたらとても会社へ行く気にはなれず、おろおろしていたら実家の母から電話が掛かってきて「もうすぐお母さんが行ってあげるから仕事に行きなさい。」と言われ、意を決して家を出た。

片道1時間の道のりを泣きながら運転していた。もうどうせ間に合わないから急がないで行こう。今頃、まだにゃーちゃんは一人でいるのだ。寂しいと思っているかもしれない。顔をあげても誰も居なかったら不安に思うかもしれない。どうしよう、戻ろうか、でも、母が来てくれるんだから、だけど、なんでこんな思いまでして仕事に行く必要があるのだろうか、そこまで大切に思える仕事では無いんじゃないのか、どうせ今も泣いてるし会社に着いてもまた泣くだろう、だったらもう行っても仕方ないのでは、でも、社員でいる以上仕事をしなければいけないし・・・。やっと会社に着いて、涙を拭いて、頑張ろうと思って「遅刻しちゃってすみませーん。」と言ったとたん、また涙が溢れ出してしくしくと泣いてしまった。すみません、すみません、と上司と話しながらポロポロと涙をこぼしていたら、会社の女の子がそっと来てティッシュを箱ごと渡してくれたので、「ごめんね、ありがとう」と言ったら「いえいえいえ」と後ずさりしていった。結局、30分くらいで帰ることになってしまった。そんなんじゃ仕事できないでしょ、と言われて自分でもその通りだと思った。「少し、休養してください。精神的にもショックなんだろうし。」と言われ、「でもせっかく来たんだし。。」もごもご言っていると、いいから早くう(笑)と笑って、私が泣きながら座っているタイヤ付きの事務椅子ごと出口付近までガーッっと運ばれて、「これでジュース買ってのみな。」と100円を渡された。社割り用の自販機で100円のフルーツジュースを買って、車に乗るまで見送っていて「ばいばい。」と手を振られたのを見て、また泣きながら帰った。家に居た母は驚いていた。「しっかりしないとだめだよ。ホラ、お母さんだって貴方がそんなだからまたオデコに帯状疱疹が出てきちゃったじゃない」と私のせいにして笑っていた。病院へ行って下さいお母さん。。。にゃーちゃんは、まだ畳の上でのびていた。寝ているのを邪魔しないように「ただいま」と声を掛けた。


夜、ぱぱちんが帰ってきた。「私、もう会社に行かなくてよくなったよ。」と言ったら固まっていた。休職にしてもらったんだよ、というと「クビじゃなくて?」と戸惑いながら言ったので「クビになったらなったで、それでもいいよ。」と言うと「うん。。」と小さく言っていた。

晩御飯を食べながらぱぱちんは「どうしてもっと早く気がついてあげれなかったんだろう。」と悔やんでいた。それはもちろんそうだし、私もすごくそう思うけど今さらもうそれを言っても仕方ないよ、と言うと「普段から、検査とかしたほうがよかったね、いつ病気になってもおかしくない歳なんだから。」というので「そうだね。。。」としみじみ言って無言で食べた。ぱぱちんは、もう一度元気になって俺のヒザに座って欲しい、と言っていた。過ごした時間は短いけれど、大切に思ってくれていることが嬉しい。

夜中、にゃーちゃんは少し苦しそうにむにゃむにゃしている。吐くのかな?と思ってティッシュを用意したけれど、立ち上がる体力が無さそうだったのでささえてあげるとぉぇぉぇっとしたが、何も出なかった。終わってそのまま横になっている。一瞬、このまま死んじゃうのかと思った。ぐったり眠るにゃーちゃんを見てとても悔しい。辛くないのか、苦しくないのか、このままの治療で大丈夫なのか、もっと他に私に出来ることはないのだろうか。。。


<三途の川>

8月11日 結局、昨日あれから会社の上司から電話が掛かってきて、上司の上司と相談した結果、「休職」という扱いにしていただけることになった。できるだけ早く、でも、あまり無理をしないように、一応今月の20日を目安として、ということだった。

夜中、息が荒くなり肩で息をしていて、でも立ち上がってトイレに向かい、そこでまた休んで、普通に座っていられない様子で、横ばいになりながら苦しんでいた。私は出来るだけにゃーちゃんの体を支えて、大丈夫大丈夫と声を掛け続けた。その状態で30分以上、変化がなくて、もう可哀相だと思い、ベットに連れて行き、その姿を見て私は泣いた。ティッシュで鼻をかんでいるすきに、またにゃーちゃんがトイレの側までいき、ホフク前進の姿勢でいるのを見て、私は硬直した。ああ、もうホントにだめだ。と思った瞬間、真夜中の静かな空気の中で「コトン」と音がした。そして、にゃーちゃんのおしりからどんぐりサイズの黒い塊が転がってきた。苦しみぬいたにゃーちゃんの原因は、ぅん○だった。びっくりした私はその場に座り込んでしまった。「ぅん○!出たんだ・・・」ソファーで寝ていたぱぱちんに泣きながら、「にゃーちゃんがぁぁ・・・う、ぅん○したああああ。」というと「うそっ。」とびっくりして「よかったね・・・」と言ってまた眠ってしまった。その後、ふんばりの勢いがついたにゃーちゃんは、どんぐりを出しベットに戻り、またどんぐりを出しベットに戻るを繰り返し、合計6個のどんぐりを出した。とても疲れている様子。。私は記念に朝ぱぱちんに全部みせようとティッシュにくるんで取っておいた。時間はもう朝の3時をまわっていた。どうしてもトイレじゃないとしないプライドが高いにゃーちゃん。これで少しは体の調子が良くなってくれればいいのだけど。。。

翌朝、体調は最悪の様子。あれが最後のふんばりだったのかもしれないと思うと心配でどうしようもなかった。今日も暑い一日で、昨日は暑さのせいか畳の部屋へよろよろ歩いていったのに、今日はずっとベットから動こうとしない。朝の点滴と流動食をいつもより少なめにしてあげた。やっぱり元気がない。

私は休職をしたものの、残してきた仕事が気になり会社へメールをした。そして急ぎの仕事を後輩たちに手順を詳しく書いて送った。お世話になっている他の会社の人にも暫く休むことを伝えておいた。会社では今、体調を崩している人や退職した人が重なって、たぶん、とても忙しくしていると思う。それなのに私は・・・という罪悪感と申し訳ないという気持ちでいっぱいになるのに、会社から来た返信メールの最後には、
「看病も大事ですが、ぱんさんの体も大事なので食事・睡眠しっかりとって元気になって下さいね。そして、看病も頑張って下さいね。」と書いてあった。


にゃーちゃんは夕方になって、ますます苦しそうにしている。目はうつろで力が無い。トイレに連れて行ったけど、もう自分の力で体を支えることができず、頭をぐったり下げていた。心配で何度も何度も様子を見に行く。ぱぱちんが帰ってくるまで晩御飯の支度をしなければ、とちょっとキッチンに立って、色々していて、やっぱり気になって見に行くと、「!!!」フカフカのにゃーちゃんベットからその下の私のベットに落ちている。落ちた姿のまま、仰向けで足がダラーンと開いて、両手もヘンな形になって、顔ものけぞって目を閉じたまま。「にゃーちゃん!!!」急いで抱き上げて、ベットに戻した。まだ息はしている。「にゃーちゃん・・・」泣きながら顔をなでると薄目をあけてぼんやりと見ていた。もうだめだ。ほんとにもうすぐあの世にいってしまう。ずっとにゃーちゃんを撫でながら、ぱぱちんに電話をする。
「ぅぅ、。ぱ、ぱちん、にゃーちゃん、、もうダメみたい、わぁぁああん。」
「ええっ!いま、帰るから!今途中だから!」
「わぁぁあん。ううう。」
号泣しながらずっと、ぱぱちんが帰ってくるまでにゃーちゃんを撫で続けた。そして、ぼんやりした目のにゃーちゃんにたくさんたくさんお礼を言って、どうか辛くないようにと、また絶対に逢おうねと、手をぎゅっと握って泣いていた。にゃーちゃんは口を開けて、何か言おうとしたけどもう声にならないようだったので、もういいよ、と言った。ぱぱちんが帰ってきてすぐにゃーちゃんの元に来た。「にゃーちゃん・・・・・」「ほら、にゃーちゃん、ぱぱちん帰ってきたよ。ぅぅぅ。よかったね、にゃーちゃん。。うわぁぁぁん。」暫く2人でにゃーちゃんの手を握り泣いていたが、ぱぱちんが、「夜の点滴した?」と聞くので「ぅぅ。。まだ。。してない。。」というと、
「したほうがいいんじゃない?」
「でも、もう、だめみたいだし。。」
「ぅん・・・でもしてあげよう。」
「・・・そうだね、あっちでノド乾いたままだと可哀相だもんね。」といって点滴をした。顔も体もきれいに拭いてあげた。そして晩御飯の用意が出来なかった私に、ぱぱちんがコンビニにおにぎりを買いに行ってくれた。私はそれを1つだけ食べて、にゃーちゃんに寄り添っているうちに眠ってしまった。2時間後、足元にフト何かを感じて目が覚めた。ハッ、にゃーちゃん?ベットを見るといない。アレ?アレ?みると私の足元ににゃーちゃんが猫すわりをしていた。にゃーちゃん、何してるの???とベットに戻すと落ち着かない様子。ソファーで寝ていたぱぱちんも起きてきた。トイレかも、と思い抱えてトイレに下ろすと、ぐったり横になった。小かな、と思って見ていたら、ぷぅ。っと小さく聞こえ、そのあとモワーンとした空気が漂い、どんぐり2個とゆるいぅん○をした。一瞬驚いたけど、にゃーちゃんの可愛いお尻にぅん○が付いてしまったので、にゃーちゃんを持ち上げて、ぱぱちんに急いで拭いてもらった。そして再び、ベットに戻して、お湯を湿らせたティッシュで丁寧にキレイになるまで拭いてあげた。明日(もう今日だけど)はタンポポ先生の所に行く予定だったけど、無理そうだね。にゃーちゃんいいよ、もう無理しないでね。そしてそのまま、にゃーちゃんの手を握り、眠ってしまった。

<行ったり来たり>

8月12日 やっと辺りが明るくなってきたころ、私は目が覚めた。ふと見ると、にゃーちゃんはまだ息をしている。少しほっとして、起き上がると隣の部屋のソファーで寝ていたぱぱちんが来た。「にゃーちゃんは?」と聞くので「まだ・・・生きてる。。」といった。2人でにゃーちゃんを覗き込むと目をぱちくり開けてこっちを見た。「あれ?・・・。なんか、、復活してない?」「ぅ、うん、してる。」首を持ち上げ、きょろきょろしている。トイレかも、と思い運んでいくとした。その後、立ち上がり左ナナメになりながら、和室の畳に寝転んだ。「歩いたね。」「うん。今日、朝一番でタンポポ先生の所、いこう。」「うんうん。」

車に乗せているとだんだん元気になっていくように思えた。それは病院につくと確信した。あの元気だった頃のように、可愛く猫すわりをして、しっぽを振りながらこっちを見ている。「にゃーちゃん、ここ気持ちいいから好きなのかな?」たんぽぽ先生はそんなにゃーちゃんを見て、「あら、今日はなんか元気そうですね。」と言った。私はたんぽぽ先生が好きです。なぜならぐっすり寝ているにゃーちゃんを見て、くすっと笑って、私が「?」って見返したら「いや、この寝顔というか、寝姿があんまり可愛いので(笑)」と以前言ってくれたから。そーでしょ~そーなんですよぉぉ。と私は得意げに言ったりしていたのだ。

昨晩のことをたんぽぽ先生に詳しく話した。でもにゃーちゃんは昨晩のことがウソのようにフカフカの布団にちょこんと座っている。「先生、今はこうですけど、本当に死んじゃうのかと思ったんですよ!」と何度も言った。


いつものように、体温をはかり「38度ですね。」と正常であることを教えてくれた。にゃーちゃんはオシリに体温計を入れられても全然怒らなかった。そして、お腹の辺りをチェックして、針とお灸をして全身をマッサージしてくれた。その後ササミを上手に食べさせてくれた。私にもやってみて、と教えてくれたけど、にゃーちゃんがイヤイヤとしたのですぐに諦めた。「じゃあ、お父さんやってみる?」とぱぱちんが言われていた。お父さんだって~と後で笑った。

家に帰るとにゃーちゃんは暫く眠った。点滴も少し増やしたりした。

夜になってにゃーちゃんはまた苦しそうにしていた。もう自分の力では立っていられないほどになった。顔を時々あげるのでトイレに連れて行っても、まったく動けなくなっていた。だるそうに、両手を前にダランとして、なかなか眠れないらしく、ずっと側にいた私を見ていた。私はこのところ、殆ど寝ていなかったので、心配しながらも、にゃーちゃんの手を握ったまま眠っていた。ぱぱちんは私たちのじゃまをしないようにと、今夜もソファーで眠った。

<最後の時>

午前4時私はハッと目を覚ました。にゃーちゃんは眠っていなかった。相変わらず、手をだらーんとさせて、大きく呼吸をしていた。ずっと私を見ているのでトイレかな?と連れて行くが出なかった。もしかして、と思い、お尻の辺りにトイレシーツを敷いて、そのままベットに戻した。そして私は睡魔に襲われて眠ってしまった。
午前5時半ころ、再び目を覚ました。私は首から胸にかけて流れるほどの汗をかいていた。にゃーちゃんをみるとトイレシーツにたくさん小をしていた。頭をなでて、よく頑張って出したね、とプライドが高いにゃーちゃんを慰めながら、それを片付けながら、洗面所に行き、顔を洗って首の汗をふいた。それから暫くにゃーちゃんを見ていた。少し息が苦しそうだ。もしかして脱水症状かもしれない。朝の点滴、少し早めにしたほうがいいかな、と思い、点滴のための消毒ガーゼを取りにいく。ガーゼを枕元に置いて、点滴の準備ができたけど、にゃーちゃんの様子がおかしい。やっぱり、これはおかしい。優しく体を撫でながら、涙声で話しかけた。「にゃーちゃん頑張ってね、昨日、先生が言ってたよ。にゃーちゃんより肝臓の数値が悪いコがこうして2ヶ月で治ったって。だからにゃーちゃんも大丈夫だよ。私がついているからね。いいこだね。大丈夫だよ。」点滴のことは忘れて、私は恐くなってた。にゃーちゃんはもう口で呼吸をしている。やだ、にゃーちゃん、大丈夫だよ、ね。苦しいね。そして、私はにゃーちゃんがいつも催促していた「だっこ」を久しぶりにした。全く力の入らないダランとした体をそっと持ち上げて、以前のように膝に乗せた。膝に乗せると、顔をあげて両手を揃えて、でもやっぱりつらそうで、私の右腕にアゴをのせた。にゃーちゃん、にゃーちゃん、大丈夫、私がいるからね。私はとても動揺してしまい、やっぱり寝かせたほうがいいと思い、再びベットに寝かせるとまた呼吸が速く大きくなった。「ぱぱちん!にゃーちゃんが!!」ぱぱちんはすぐに飛び起きて、ベットへ駆け寄った。そして、その時を待っていたかのように、大きく何度も呼吸をして、息を引き取った。私とぱぱちんが泣きながら見守るなかで、本当にあっという間だったのだ。。
8月13日午前6時45分にゃーちゃんは息をひきとりました。
最後は私とぱぱちんで、私がにゃーちゃんの頬を支えて、ぱぱちんがにゃーちゃんの手を握り、みとりました。










私はやっとやっと、なんとか立ち直る方向に進んできました。これほど悲しい思いをしたのは生まれて初めてで、これほど大切なものを失ったのも初めてで、これほど感謝したのも初めてでした。

にゃーちゃん、最後まで頑張ってくれてありがとう。
21年と9ヶ月も長生きしてくれたこと、誇りに思います。
にゃーちゃんと出逢ってたくさんの出来事全てが今もこれからも私自身の力になると信じています。本当にありがとう。
また逢いにきてね。待っています。nyaachan.jpg




追記

私は今でもにゃーちゃんのことが忘れられません。
だって、あれほど美しく可愛く賢い猫はいないと思うのです。
そして私が大好きで、私も大好きで、長生きしてくれたおかげでいつも一緒でお互いを深く理解していたような気がします。
もう一度、あの柔らかくすべすべした毛並みのにゃーちゃんを抱きしめられたらどんなに幸せでしょう。
でも、もういないのです。
今は時々幸せな時間を思い出すことしかできません。
猫や動物の癒しの力はとても大きいと思います。
私はそれに頼りすぎていたのかもしれません。
これからは、強くならなければとも思います。
そんな私を、にゃーちゃんがどこかで見守っていくれていると信じています。




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